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山田弁護士が教える、マネージャーのためのハラスメント講座/これくらいなら…は要注意! セクハラNG事例から学ぶ対策法

更新日:

Me too運動もあり、近年セクハラを防ぐ機運は熟しつつあります。一方、セクハラを気にするあまり、女性社員とのコミュニケーションに悩んでしまうという声もよく聞かれます。さらに、女性から男性へのセクハラや同性間でのセクハラも増えてきているとのこと。

そこで今回は、山田・尾崎法律事務所の山田秀雄先生にさまざまなセクハラのNG事例を挙げていただきながら、気をつけるべきポイントを伺いました。

セクハラと認められるハードルが下がっている

セクハラの定義は近年、変化してきているのでしょうか?

「よくそう質問されますが、定義が変わっているのではありません。セクハラだと認められるハードルが下がってきているのです。かつては“冗談”で済まされていたものが、今ではれっきとしたセクハラとして訴えられ、認められます。

セクハラは『相手の意に反する性的な言動で、その対応によって、仕事を遂行する上で一定に不利益を与えたり就業環境を悪化させたりすること』を指します。つまり、自分にとっては他意のない言葉や行為でも、誰かの仕事に差し支える時点ですでにハラスメントになっているのです。実際にセクハラで訴えられた人の中には、『自分の行為がセクハラになるとは思わなかった』という人が非常に多いです。

加害者としてトラブルに巻き込まれないようにするには、絶対やってはいけない行為とあわせて、気をつけなければいけないグレーゾーンの行為、両方を認識しておくことが肝心と言えるでしょう」

気をつけたい、グレーゾーンの例とは?

まず、明らかにアウトな例を教えてください。

「業務と関係のない身体的接触や性的な発言です。応援のつもりでハグをしたり、『色っぽいね』など性差を意識した発言をしたりすることも危険です。もちろん、故意に体を触ることはもってのほかです。自分では冗談や応援のつもりでも、相手にとって不快であれば、訴えられることがあります。

さらに、『疑似恋愛型』というケースも非常に増えています。これは自分に好意があると勘違いして、一種の恋愛感情を抱いて性的な誘いかけなどをするケース。実は相手が嫌がっているのに、職務上の立場から断れずにいることを気づかずに、行為をエスカレートさせてしまいます。性的な関係がなく、食事に誘っただけでも相手が『執拗だ』『過剰だ』と感じれば、問題になるケースもあります。

さらに、その際絶対にやってはいけないことは、誘いを断られたからと、相手を無視したりプロジェクトから外したりすることです。断られて気まずさがあっても、努めて態度を変えないことが大切です」

では、グレーゾーンのセクハラは、どんなことに気をつければよいでしょうか?

「気軽な会話こそ、要注意です。場を盛り上げるための下ネタや冗談だと自分では思っても、相手はそうとらえないかもしれません。雑談や日常のたわいない会話でも、セクハラにならないような意識が必要ですね」

具体的にどのような会話の内容がアウトと言えますか?

「あからさまな性的な発言以外では、恋人の有無を聞いたり、身体的特徴を話題にしたりすることなどです。また、『女には任せられない仕事』『お嬢さん』といった性別意識に基づく発言にも気をつけましょう。会話以外のグレーゾーンのセクハラでは、職場に性的なイメージを想起させるポスターや絵を貼る、女性であるというだけでお茶くみやお酌を強要するなどが挙げられます」

同性間、女性から男性へのセクハラ事例も

セクハラは、男性から女性に向けてだけではなく、女性から男性に向けたものや同性間にも当てはまるのですよね?

「はい。男性に対するセクハラは、男性の女性に対するそれに比べれば数としてはまだ少ないですが、実際に裁判で争われている事例も出てきています。女性の管理職も増えているので、女性であっても男性部下への対処の仕方に注意し、セクハラへの意識を高めていく必要があります。特に、女性社員の多い職場で、女性の上司や同僚が男性社員をからかいの対象にしたり、結婚しない男性に対してその私生活を詮索したりするようなことも要注意です。

ほかにも女性上司が、お気に入りという理由で特定の男性部下をプロジェクトに入れるなど、相手がその特別扱いを『過剰だ』と嫌がった場合は、セクハラにあたります。女性上司としては、軽くからかっているつもりだったり、気に入って特別扱いしているつもりでも、男性からすれば脅威に感じることがあるからです。

異性間でセクハラにあたることは、同性間でも同様にセクハラに当たります。同性間のセクハラで考えられる例としては、宴会で裸芸を強制するなど、その場にいる第三者に対して性差を意識することを強要したり、クライアントの機嫌を取るために、異性の社員に対応をさせる(たとえば男性クライアントの機嫌取りとして、女性社員に接待を強いる)などが挙げられます」

 

セクハラを自分の感覚に頼るのは危険!

無自覚にセクハラを行ってしまわないようにするには、どのような意識を持っていればよいでしょうか?

「セクハラかどうかを自分の感覚だけに頼るのは危険です。それを防ぐために、自分のパートナーや子どもにされたら嫌なことは社員にもしない、と心がけておくとよいでしょう。また、『このシーンの写真が、社内報に載っても明確な説明ができるか?』を常に自分に問い、それを基準に振る舞えば、無自覚のセクハラが防げるかと思います」

次回は「パワハラ」について、説明していただきます。

 

(取材・文=富永玲奈)

 

【お話を聞いた先生はこちら】
山田秀雄先生

山田・尾崎法律事務所の代表弁護士。1992年の開業以来、一貫して企業法務,一般民事事件を中心に活動。多数の顧問会社の法律相談・商事事件及び不動産,損害賠償,遺産事件,家事事件などの民事事件の訴訟を手がける。近時はPL問題,民事介入暴力,セクシュアル・ハラスメント,ストーカー,ドメスティック・バイオレンス等の分野についてリスク・マネ-ジメント(危機管理)の観点から、企業の指導にあたっている。NHK,民放をはじめ、ラジオ,テレビにコメンテーターとして出演。また、講演・著作活動の機会も多い。著書に『弁護士が教えるセクハラ対策ルールブック』(日本経済新聞出版社 ※共著)などがある。http://www.yamada-ozaki.com/

 

山田弁護士が教える、マネージャーのためのハラスメント講座
第1回:マネージャーなら知っておきたい! 変わりゆく、セクハラ・パワハラの定義と境界線
第2回:これくらいなら…は要注意! セクハラNG事例から学ぶ対策法
第3回:「厳しい指導」もパワハラ認定? イマドキ社員の叱り方

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