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成果と生産性を高め、力を引き出すマネジメントのために produced by KAKEAI

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マネジメント 人材育成

マネージャーが悩みがちな部下育成・動機づけの3ケース

更新日:

『プロフェッショナルマネージャーの仕事はたった1つ』著者であり組織行動学の研究者である髙木晴夫教授(法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科)は、マネージャーの仕事を「組織目標の達成」、「部下への仕事の割り振り」、「部下の育成」、「部下の動機づけ」と定義しています。組織の長である以上、管掌する組織目標の達成に責任を持つだけではなく、「部下とどう関わり、その力を現在から将来にわたって引き出せるか」がマネージャーのパフォーマンスとして認識されるよういなっています。

組織目標を達成していく上で、どの部下に何を担当してもらうのかを設計しながら、部下に仕事に対して自律的にかつ前向きに取り組んでもらうための動機づけをし、業務を通じて部下の成長を支援していくというマネージャーの在り方が重要視されているのは、部下に自ら考え行動し、自律的に成長を促したいという組織的なニーズがあるからです。

とはいえ、実際の組織の現場ではマネージャーが部下の動機づけが難しいと感じる場面もあるようです。そこで今回は、「部下の動機づけ」において、マネージャーがどのような働きかけをするべきか、またその動機づけが難しいケースでの対応を考えていきます。

部下の動機づけとは

行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能

Wikipedia 動機づけ 

というのが、動機づけの一般的な意味合いです。何かしらの動機づけが作用すると自ら進んで目標の達成に向けて、道筋を考えて行動する状態になりますが、仕事をしている中ではともすると「やらされ感」が生じて、自分にとっての仕事の意味合いを見つけにくくなるものです。最近ではモチベーションという言葉も良く聞かれますが、「部下本人が、自分にとっての仕事の目的や意味合いを見出し、前向きに、より良い成果を出すために工夫や改善をしながら業務を進めていく状態」が部下の動機づけができている状態だと言えます。

動機付けには、本人自身の興味や関心が起点になる内発的動機づけと義務や賞罰があるために生じる外発的動機づけの大きく2つの方法があります。「目標を達成したらインセンティブが得られる」「業務をきちんとしなければ、評価が下がる」など外発的動機づけは、一定の効果がありますが、その効果は中長期的には持続しないものです。一方で、内発的動機づけに基づいた行動は、本人自身が取り組むことに意欲を持っている状態で、その取り組みを通じて楽しさや面白さ、達成感を味わうことができるためにより自発的な言動が生まれやすいと考えられています。

企業としては、成果に対してしっかり報いるという観点から外発的動機動機づけが機能するような制度を整備しながら、日々の業務に対しては一人ひとりの社員が内発的動機づけされた状態で業務を進められるような環境整備を支援していくことになります。

マネージャーとしては、日々の業務アサインや業務上での関わりを通じて、時には面談の時間を持ちながら部下一人ひとりの想いを把握し、内発的動機づけを高めていくような働きかけをすることが期待されます。自己決定理論では、外発的動機づけ、内発的動機づけ、非動機づけという3つの状態を想定していますが、よくあるのは、マネージャーは部下の内発的動機づけをしているつもりでも、部下の立場からすれば非動機づけの状態になってしまっていることです。

仕事における内発的動機づけができている時には、担当している業務に対して、現在と将来の視点から意味合いを見いだせている状態だと考えられます。現在の視点としては、「今、担当している業務内容に純粋に面白さを感じている」、「これまでの自分の経験や培ってきた知識やスキルを活用して、自分がその業務をやる意味あいを実感している」「自分が担当した業務の影響を実感し、やりがいを感じられている」というように、本人が今、向き合っている業務の意味合いを感じられている状態であれば内発的な動機づけができていると考えて良いでしょう。他方、「将来やりたいことに、今やっている経験がつながっている」「今やっていることが、次のステージの経験につながり成長の道筋が見える」などの実感が持てている心理的な状態であれば将来の視点からも内発的な動機づけができている状態です。つまり、「今やっていることに、不満はないが、これを続けていても将来の自分の姿が見えてこない」という状況では、内発的動機づけは機能しにくい状態になってしまっているということです。部下の近くで業務をし、日頃の接点も多いマネージャーには、部下の仕事の様子を観察しながら、対話をして現在と将来の視点で内発的動機づけが働きやすい環境をつくることが期待されます。

動機付けが難しいケース①「やりたいことや将来のイメージが曖昧な部下」

部下の状況:スキルを着実に積んで、年齢、経験を踏まえるとそれなりに戦力になってチームに貢献しているという認識で、これまでの自分の経験を踏まえると今の仕事の内容には納得感、妥当性があると感じている。しかし、このまま安定的に仕事をしていければよく、将来についてはあまり明確になっていない。

【動機付けに向けたアプローチ】

将来の視点で部下本人自身がイメージをもてていないことは受け入れた、現在の視点で内発的な動機づけのポイントを探りながら、中期的にこれから「やってみたい仕事」や「できるようになりたいこと」を探っていきます。仕事をしていて楽しい・やりがいを感じる瞬間などのポジティブな感覚や仕事で本人が大切にしていることを質問して引き出し、業務のアサインや任せ方を工夫することで、本人がポジティブに感じられる場面や本人が業務を進める上で大切にしていることを発揮できる場面を作ることで、「今やっている仕事」への充実感を高めていくことが有効です。「自分の仕事はこういうもの」という部下本人の思い込みを取り除いて、今の仕事でやりがいを感じながら、小さくても工夫をして一歩前に進むような課題を設定することで、「本人のやってみよう、やってみたい」という気持ちを引き出していきます。

動機付けが難しいケース②「今やっていることは、やりたいことではないという部下」

部下の状況:部下の状況:スキルも経験も同世代よりは積んできている自負があり、今の部署では、自分がいなければ正直みんな困るのではないかとも感じている。とはいえ、今の仕事の内容は業務量が多いばかりで、大変ではあるが自分の成長にはつながっていないと感じている。将来的にはもっと最先端の仕事がしたいので、自分の市場価値を高めていけるような環境にいたいと思っている。

【動機付けに向けたアプローチ】

将来の視点で本人が具体的なイメージを持っていて、それが現在担当している業務とは違うものであるという認識がある場合には、将来の視点から現在の視点を結びつける観点を探ることが必要です。1つは、部下本人の将来なりたいイメージを具体的に聞き出し、なぜそうしたいのかを確認します。その会話の中から、今の組織の環境でもできることを洗い出し業務のアサインや業務の任せ方を変えていくことで、将来的になりたいイメージに近づく過程として今の業務を捉えられるようにしていくことです。今、担当している業務を新しい視点でとらえることを促すことでも、現在の視点での動機づけを高めることができます。

動機付けが難しいケース③「今やっていることは、自分の専門性とは違うという部下」

部下の状況:今の部署の仕事は未経験なので、できることを増やさないといけないとは思っているものの、今の担当業務や役割はこれまでの自分の経験とも将来やっていきたいこととも方向性がずれていると感じている。今やっていることが自分の過去とも将来ともつながらないため、今の仕事に前向きに取り組むことが難しい。

【動機付けに向けたアプローチ】

本人が意図しない形での配置転換があった場合には、現在の視点でも将来の視点でも内発的な動機づけがしにくい状態に陥りがちです。とはいえ、今担当している業務は、これまでやってきた業務とは何かしらのつながりがあるはずなので、俯瞰的な捉え方を身に着けるチャンスであることや自分の新しい強みとなる引き出しを増やす機会であることを伝えて、現在の視点から担当業務にどのような意味付けが可能かを一緒に考えていくアプローチが必要です。今担当している仕事でやりがいや、やる意義を感じる点を確認しながら、それらを感じられる場面を増やすような業務をアサインし、今の業務から学べること・学んでほしいことを伝えることで、新しい視点で今の業務の意味あいを見出すことを支援することが有効です。

 

動機付けの方法には、正解はなく、部下一人ひとりに応じた対応が必要になる上に、1度対応をしたからといってその状態が継続するとは限りません。重要なのは、部下の内発的な動機づけの鍵になることを把握し、継続的に対話を続けながら業務のアサインや業務の任せ方を変えながら、成長感や達成感を感じられるような働きかけをすることです。

 

 

 

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